今回は 10年以上前に他院で乳房バッグを挿入し その後変形を認め乳腺外科を受診し、美容外科の受診を勧められ脂肪を得意としている当院を受診されました。
術前の状態です。
左右ともに下方に移動し特に左側は外側に張り出しています。
。
脂肪採取は太もも(内側・外側)腰より行いました。
採取部位のデザインです。
さて、手術中の写真を提示します。
左側のバッグを取り出した後です。
バッグが下方外側方向に張り出していた分 その部位の皮膚が伸展されペラペラに薄くなっていました。
肋骨が浮き出ているのがお分かりかと思います。
ここで危惧されるのが、薄くなった部位には少ししか脂肪が注入できません。
狭い組織に無理に多くの脂肪を注入すると、生着せず壊死をきたし感染等のリスクが高くなります。
そこで無理せずに3ヶ月おきに少しずつ注入し,少しづつボリュームを出す事にしました。
初回手術より3か月後の状態です。右のバストは特に問題なく綺麗な形状です。
しかしやはり左のバストの下方外側はややボリュームが足りません。
凍結保存している脂肪があったので、
脂肪の生着する3ヶ月後に 左下方外側の凹みに対して少し追加注入しました。
凹みの部位は少し浅くなり改善しています。
このようにバッグにより著しい変形をきたしている方は少しづつ脂肪を注入して盛り上げていくことが重要となります。
バッグのトラブルは様々です。
今回の方のような皮膚を伸展し薄くなっている場合は数回の注入が必要になります。
その場合、毎回脂肪を採取していては、体に毎回負担がかかります。
1回目に余った脂肪をとって凍結しておけば 2回目以降は注入だけで済みます。
一方、右側のバストですが 左に比べて皮膚伸展は少ないために組織は左に比べて薄くはないため1回目の注入ごより大変良い形状になています。
(術前)
(初回手術3か月後)
(2回目注入3か月後)
本ゲストの様の場合、右側のバストは比較的条件は良いため大変綺麗な形状になりました。
左側のバストは変形が著しいため数回に分けて少しづつ少しづつ綺麗にしていくことが必要になります。
経過は追ってご紹介します。