シリコンバッグ豊胸をおすすめしない理由~代表的なトラブル~

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目次

実は当クリニックでは、シリコンバッグ豊胸をあまり積極的におすすめしていません。どの豊胸手術もある程度のリスクはつきものですが、シリコンバッグ豊胸の場合、そのトラブルの多くが防ぎようのないものだからです。
では、シリコンバッグ豊胸で懸念されるトラブルとはどういったものなのでしょう?また、それらに対して、当クリニックではどのように対処するのでしょうか?こうした点についてご紹介します。

シリコンバッグ豊胸術のトラブル1:「カプセル拘縮」

シリコンバッグ(豊胸インプラント)を挿入した際に認められる、代表的なトラブルです。
シリコンバッグを挿入した人の10人に1人の頻度で生じる現象で、決して特別なトラブルではありません。

カプセル拘縮とは?

人工物であるシリコンバッグを体内に挿入すると、人体はそれを異物とみなし、バッグの周辺に被膜を形成します。ここまでは正常な生体反応なのですが、問題になるのは、この被膜が厚く硬くなり、バッグを強く締め付けるようになったときです。このような状態を「カプセル拘縮」と言います。手触りは硬くなり、見た目もいびつになってきます。

 シリコンバッグのカプセル拘縮化が悪化するとどうなる?

カプセル拘縮の重症度の判定は「Beckerの被膜拘縮分類」を基準に行います。最も軽いGRADE1から、最重度のGRADE4までの4段階に分類されるのですが、コヒーシブシリコンが主流の現在においては、どんなに問題のない手術が行われたとしても、手術直後からGRADE2程度の違和感が生じることは避けられないと考えています。
なお、ここに示した画像は、いずれも最重症のGRADE4です。硬縮が進んで、バッグがテニスボール状にまん丸に変形してしまっていることが、皮膚の上からもよくお分かりいただけると思います。

シリコンバッグ豊胸術のトラブル2:「リップリング」

名前はかわいいですが、厄介なトラブルです。ひどくなると痛みを伴うこともあります。

シリコンバッグのリップリングとはどのような現象か?

シリコンバッグの一部がバストの中で折れ曲がったり、しわが寄ったりして波打ったように見える現象です。中にはバストの表面が尖ってしまうことや、触ると“ペコペコ”という妙な感触を伴うこともあります。

■バッグの折れ曲がりで、バストの一部が突起したリップリング

リップリングの原因は?

リップリングは、痩せた人が陥りやすいトラブルです。痩せ型だと、シリコンバッグを挿入するスペースを十分に確保できないことがあるからです。
原因としては、主に3つのケースが考えられます。
1つは、痩せ型の人に多いこととも関係しますが、狭いスペースに不釣り合な大きさのバッグを挿入してしまい、端がよれたまま手術を終えてしまった、というケースです。
2つ目は、表面がなめらかな、つるつるしたタイプのシリコンバッグ(スムースタイプ)が、時間経過とともによれてしまうというケース。
3つ目は、カプセル拘縮が生じ、それによってバッグが圧迫されたというケースです。

リップリングを放置するとどうなる?

シリコンバッグの尖った端の部分が突き出ている状態を放置すると、皮膚を突き破って表面に露出してしまうことがあります。また、長期間1点が圧迫され続けた結果、周辺の皮膚が壊死してしまうこともあります。

シリコンバッグ豊胸術のトラブル3:「破損」

シリコンバッグは人工物である以上、使い続ければいつかは劣化し、やがて破損します。

シリコンバッグの破損は気づきにくい?

バストに入れているシリコンバッグが破損したとなれば、さすがに気づくだろうとお考えになるかもしれません。ところが、最近主流のコヒーシブシリコンは、破れても中身が漏れ出さない点がウリなのですが、そのせいで破損に気付きにくくなってきています。

シリコンバッグが破損するとどうなる?

シリコンバッグが破損しても中身が漏れ出しておらず、バストサイズにも大きな影響がなさそうならば放置しても問題ないのでしょうか?
答えはノーです。
中身が漏れ出しにくいシリコンバッグだとしても、放置すれば、破損部から徐々に体液が侵食し、やがてシリコンが液状化します。液状化したシリコンは、悪くすると被膜の外にまで溢れ出し、周辺組織に触れることで炎症を起こし、腫れや痛みを生じることがあるのです。こうなると、もはや見た目だけの問題ではありませんよね。破損に気付いたら、いち早く対処することが望ましいでしょう。

■液状化したシリコン

シリコンバッグトラブルへの、当クリニックでの対処法

当クリニックには、シリコンバッグ挿入後のトラブルに関する相談が後を絶ちません。これらに対して、実際にどう対処しているかをご紹介します

まずはシリコンバッグの状況を、エコーで確認

シリコンバッグ豊胸後のトラブルの相談にいらっしゃったすべてのゲストに、まずエコー検査を受けていただいています。挿入したバストが今どのような状態なのかを、正確に把握させていただくためです。その上で、ゲストのご希望に合わせた最も望ましい施術を提案させていただきます。

次に、脂肪を用いた改善方法を提案

バッグの変形や破損が激しい場合は、バッグの抜去と同時の脂肪注入豊胸術(コンデンスリッチ豊胸術)をおすすめします。初期的なトラブルであれば、バッグが入った状態での脂肪注入(コンデンスリッチ法)をご提案することもあります。

シリコン抜去後に、なぜ、コンデンスリッチ豊胸術をおすすめするか?

シリコンバッグは人工物である以上、経年劣化は避けられません。FDA(日本の厚労省にあたる米国の国家機関)も豊胸インプラントの寿命は、おおむね10年前後との見解を示しています。つまり、たとえバッグを入れ替えたとしても、いずれはまた取り換えなければならない時が来るのです。その点、コンデンスリッチ豊胸ではそのような心配はありません。自分自身の脂肪細胞をバストに定着させてしまえば、効果は長期的に持続します。また手触りも、シリコンバッグとは比べ物にならないほど自然なものに生まれ変わります。
加えて当クリニックは、国内のドクターを対象に、コンデンスリッチ豊胸の技術指導セミナーを定期的に開催しています。

シリコンバッグ抜去+コンデンスリッチ豊胸の事例紹介

最後に、当院でシリコンバッグの抜去とコンデンスリッチ豊胸を受けていただいたゲストの方々をご紹介します。バスト大きさを損なうことなく、美しく自然な仕上がりをご提供することが、私たちのモットーです。

BMI:16.4 の大変お痩せになっている方です。

8年前に他院で乳腺下にCMCバック210cc挿入。

その後、バック硬縮きたし上図のような醜形をきたしご相談にいらっしゃいました。

脂肪注入は左右とも230mlです。

この様に自然な形態の乳房に再建いたしました。

 

まとめ

シリコンバッグの良さは、体型を問わず大幅なボリュームアップが期待できることです。しかし一方で、人工物を長期間体内に挿入するわけですから、バッグの経年劣化など、避けられないリスクも存在します。
これからシリコンバッグでの豊胸手術を受けようと検討中の方は、その点を十分理解したうえでご決断ください。
もし、すでにシリコンバッグにまつわるトラブルでお悩みであれば、是非一度、当クリニックまでご相談にお越しください。なるべくサイズは損なわず、かつ自然なバストにお戻しするための最善策をご提案させていただきます。

この施術に関する情報

シリコンバッグ抜去:

注)施術後には一定期間、痛み、浮腫み、内出血、こわばり等の症状が見られることがあります。また、この他にも予期しない症状が現れる可能性がありますので、術後異常を感じた際には速やかにご相談ください。

筆者のご紹介

加藤敏次

10年にわたり数多くの外科手術を手掛けてきた形成外科専門医。現状に満足することなく高みを望む「進化し続ける美容外科医」を志す。脂肪専門のスペシャリストとして世の中に貢献しようと日々邁進する。気さくで親身な姿勢がゲストからの人気を集めるドクター。

  1. 1975年
    神奈川県生まれ
  2. 2002年
    昭和大学医学部卒業
  3. 2002年
    昭和大学救急医学科入局 昭和大学病院 救急センター勤務
  4. 2003年
    昭和大学形成外科入局 昭和大学病院 形成外科勤務
  5. 2004年
    大学医局より市中病院 形成外科へ出向
  6. 2014年
    湘南東部総合病院 形成外科 診療科長就任
  7. 2014年
    某美容外科 地方院院長 就任
  8. 2016年
    THE CLINIC 東京院副院長 就任
  9. 2017年
    THE CLINIC 横浜院院長 就任
  • 日本形成外科専門医
  • 日本顎顔面外科学会会員
  • 日本美容外科学会会員
  • VASER Lipo認定医
  • コンデンスリッチファット(CRF)療法認定医
  • VASER 4D Sculpt(ベイザー4D彫刻)認定医